東洋医学では身体は「気」でできていると考えています。その気がたえず滞りなく身体の中をめぐっていると健康であり、どこかに滞りがあったり、詰まっていたりすると、病気（気が病む）になると考えます。

実は「ツボ」は、この滞り易い、詰まり易い場所にあるのです。そこを刺激することで、滞りや詰まりを解消させることができ、病気が治ると考えられています。

このツボは人によって、そして体調によって場所が移動します。ツボの本に書いてあるツボの位置は目安でしかなく、自分の体調に合ったツボを見つけることが大事なのです。

この講座では、人それぞれに合ったツボを選べるように、そしてその人の身体に合ったツボの位置を見つけられるように指導していきます。

東洋の思想はバランスを重視する思想。身体の偏りだけでなく、こころも偏りがないようにすることが大事です。いつもイライラしてしまう、ついつい怒ってしまう、逆にすぐに落ち込んでしまう、いつもネガティブになってしまう。このようなことがないように、いつもこころを穏やかにする知恵が、東洋の思想にはあります。

2000年以上前に書かれた鍼灸のバイブル的な本には以下のように書かれています。「恬淡虚無（てんたんきょむ）であれば、気が調和して、こころもしっかりとして、病気になることはない」

恬淡虚無とは、こころに不満や欲望などがなく、穏やかで落ち着いていることを意味します。そのような状態であれば、病気にはならないのです。

この講座では、こころを穏やかにする秘訣を、東洋の思想の中からご紹介していき、みなさんがいつも健やかなこころでいられるように、お手伝いします。

東洋医学では自然に沿った暮らしをすることが最も大事だと考えています。夏の20℃は涼しく感じますが、冬の20℃は暖かく感じますよね？実は私たちの身体は季節に応じて変化しています。夏は夏用の身体、冬は冬用の身体に変化しています。また一日の中でも朝昼夜と身体は変化しているので、それに合わせて生活することが大事です。

身体の変化を知って、自然の変化に合わせていくこと、それは東洋医学を深く理解し、実践していく上で大きなカギとなります。

また、食事は東洋医学において、人の生命の源の気は、生まれる時に親からもらう先天的なものと、飲食物から得られる後天的なものの両方が関わると考えられています。生まれながらにしてもつ、遺伝的な素因と、普段私たちが口にする食べ物から得る栄養が、私たちを支えているのです。遺伝的なものは、変えることはできませんが、口にする食べ物は自分でコントロールすることができます。

日々の食生活を見直すことで、健康を保つことができます。また、病気になってしまったら、食べ物を工夫して、早く病気を治すように身体を導きましょう。